全損になったらどうなる?車両保険の支払額・愛車の扱い・買替えまで詳しく解説
- 3 日前
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結論
車が全損と判断された場合、車両保険に加入しており、その事故が補償対象であれば、原則として契約時に設定した車両保険金額を上限に保険金が支払われます。
一般的には、次のような場合に全損として扱われることがあります。
車が修理できない
修理費が車両保険金額以上になる
車が完全に滅失した
盗難後、一定期間発見されない
契約上の全損条件に該当する
車両保険は契約時の市場販売価格相当額を基準に保険金額を設定し、事故による修理費がその金額を超える場合は、車両保険金額が支払限度となるのが基本です。
ただし、実際の取扱いは事故状況、契約内容、特約、保険会社の商品・約款などによって異なります。
この記事でわかること
この記事では、次の3つを中心に解説します。
車が全損と判断される主な条件
全損時に支払われる車両保険金
旧車・希少車で全損に備えるためのポイント
ポイント3つ
① 修理できる車でも「全損」になる場合がある
車が完全に壊れていなくても、修理費が車両保険金額を上回る場合は、経済的な全損として扱われることがあります。
② 全損時は免責金額を差し引かない場合がある
通常の分損では、認定された損害額から免責金額を差し引いて車両保険金が支払われます。
一方、契約車両全体の滅失や、修理費が保険価額を上回る全損の場合は、免責金額を差し引かずに支払われるのが一般的です。
③ 全損後に車を残せるとは限らない
車両保険金や損害賠償金が車の価値全額に相当する場合、残った車両や盗難後に発見された車両の所有権が保険会社へ移ることがあります。
全損とは?
「全損」と聞くと、車が完全に潰れて走行不能となった状態を想像される方が多いかもしれません。
しかし、自動車保険では、外見上は修理できそうな車でも全損と判断される場合があります。
全損には、大きく分けて次のような考え方があります。
物理的全損
事故や火災などによって車が著しく損傷し、技術的に修理できない状態です。
例えば、
車体が大きく変形した
火災で車両全体が焼損した
水没により修復が困難になった
重要な骨格部分が大きく損傷した
といったケースが考えられます。
実際の修理可否は、修理工場と保険会社が損傷状況を確認したうえで判断します。
経済的全損
修理自体は可能でも、修理費が車両保険金額や事故時の車両価値を上回る状態です。
例えば、
車両保険金額:300万円
認定修理費:450万円
となった場合、修理費全額ではなく、原則として契約した車両保険金額が支払限度となります。
全損になったら車両保険はいくら支払われる?
全損時に支払われる車両保険金は、基本的に契約時に設定した車両保険金額が基準になります。
例えば、
車両保険金額:500万円
修理費:700万円
事故が車両保険の補償対象
という場合、原則として車両保険金額の500万円が支払限度となります。
一部の商品では、全損時諸費用保険金や買替え・復旧に関する特約が付帯されている場合があり、車両保険金に一定額が上乗せされることがあります。金額や支払条件は保険会社・商品・契約内容によって異なります。
車両保険金額が市場価格より低い場合はどうなる?
現在の市場価格が1,000万円の旧車でも、契約している車両保険金額が300万円であれば、車両保険から支払われる金額は原則として300万円が上限です。
市場価格が事故時に上昇していても、契約中の車両保険金額が自動的に上がるわけではありません。
そのため、旧車・希少車・プレミアムカーでは、更新時に次の金額を比較することが重要です。
現在の市場価格
契約中の車両保険金額
同等車へ買い替えるために必要な金額
想定される修理費
全損時に利用できる特約
車両保険金額は契約時の市場販売価格相当額を基準に設定されますが、希望額を自由に設定できるわけではありません。
相手方の保険では修理費全額を支払ってもらえる?
相手方に責任がある事故でも、修理費が事故時の車両時価額を上回る場合、相手方へ修理費全額を請求できないことがあります。
損害賠償では、原則として車の時価額が上限とされます。
例えば、
事故時の車両時価額:200万円
修理費:350万円
の場合、原則として相手方へ請求できる車両損害は200万円が上限となり、差額の150万円が当然に支払われるわけではありません。
このような状態は、一般に「経済的全損」と呼ばれます。
相手方の対物超過修理費用に関する特約などにより、一定の条件で差額の一部が補償されることもありますが、相手方の契約内容などによって異なります。
全損になっても修理できる?
全損と判断されても、オーナー様が自己負担を加えて修理すること自体は、状況によって可能な場合があります。
例えば、
車両保険金額:300万円
修理費:500万円
の場合、保険会社が認定した車両保険金を受け取り、不足する200万円などを自己負担して修理する選択肢が考えられます。
ただし、次の点を確認する必要があります。
車両を引き続き所有できるか
残存物の取扱い
保険金の支払条件
修理後に安全性を確保できるか
修理後の車検・登録手続き
修理期間
部品の入手状況
保険会社の承認や確認
全損車両に残存価値がある場合は、保険会社が残存物を引き取るか、残存物価額を差し引いた金額が支払われる取扱いもあります。
愛車を手元に残して修理したい場合は、保険金支払いが確定する前に、必ず保険会社または代理店へ相談してください。
全損後の車両は誰のものになる?
全損保険金が車両価値の全額として支払われた場合、車両の所有権や残存物に関する権利が保険会社へ移転する場合があります。
保険会社は、残った車両を引き取って売却または処分することがあります。
一方、契約者が車両を残したい場合は、
残存物価額を保険金から控除する
保険会社と車両の取扱いを協議する
保険金支払前に所有権の扱いを確認する
といった対応が必要になる可能性があります。
旧車では、損傷車であってもエンジン、ミッション、内装、ホイール、希少部品などに価値が残る場合があるため、自己判断で処分しないことが重要です。
全損保険金を受け取ったら必ず買い替える必要がある?
通常の車両保険では、全損になったからといって必ず別の車へ買い替えなければならないとは限りません。
商品によっては、車を買い替えたり修理したりしなくても、全損保険金が支払われる場合があります。
ただし、新車特約、車両全損時復旧費用特約など、一部の特約では、
新しい車を購入すること
一定期間内に買い替えること
実際に修理すること
一定額以上の費用を負担すること
などが支払条件になる場合があります。
契約している特約名と支払条件を確認しましょう。
盗難でも全損になる?
車両が盗難され、一定期間発見されない場合は、通常、全損として車両保険金が支払われます。
盗難保険金が支払われると、車両の所有権が保険会社へ移転するのが一般的です。
保険金の支払い後に車が発見された場合は、
車両は保険会社が引き取る
一定期間内であれば、保険金を返還して車を取り戻す
といった取扱いになることがあります。具体的な条件は保険会社へ確認してください。
全損時に免責金額は差し引かれる?
通常の分損事故では、認定された損害額から契約時に設定した免責金額を差し引いて保険金が支払われます。
例えば、
認定損害額:100万円
免責金額:10万円
であれば、単純計算では90万円が支払対象となります。
ただし、契約車両全体の滅失や、修理費が保険価額を上回る全損の場合は、免責金額を差し引かずに保険金が支払われるのが一般的です。
具体的な取扱いは、契約している約款や保険会社へ確認してください。
全損になると等級はどうなる?
車両保険を使用した場合、事故の種類によって翌年の等級や事故有係数適用期間に影響することがあります。
例えば、
衝突事故
単独事故
盗難
台風
洪水
火災
雹
では、等級の下がり方や事故有係数適用期間が異なる場合があります。
全損だから特別に等級が大きく下がるというより、事故原因と保険使用の内容によって判断されます。
保険金請求前に、
翌年の等級
事故有係数適用期間
更新後の保険料
今後数年間の保険料差
を代理店または保険会社へ確認しましょう。
ローンが残っている車が全損になったら?
ローンが残っている車でも、全損と判断される可能性があります。
車検証上の所有者がローン会社や販売店の場合、保険金の支払先や所有権解除の手続きについて確認が必要です。
また、
ローン残高:500万円
車両保険金額:300万円
のように、保険金よりローン残高が多い場合、差額の200万円が自動的に免除されるわけではありません。
ローン契約は原則として残るため、金融会社や販売店へ確認する必要があります。
購入時には、車両価格、ローン残高、車両保険金額の差も確認しておくことが大切です。
旧車・希少車が全損になった場合の注意点
1.同じ車を買い直せない可能性がある
旧車や限定車は市場流通台数が少なく、保険金を受け取っても同程度の車両を見つけられないことがあります。
2.修理費が高額になりやすい
旧車では、
純正部品が廃番
中古部品しかない
海外からの取り寄せ
部品のワンオフ製作
専門店での作業
ボディ修正やレストア作業
などにより、比較的小さな事故でも修理費が高額になる場合があります。
3.契約時の車両保険金額が重要
事故時の市場価格が高くても、契約時の車両保険金額が低ければ、受け取れる保険金もその範囲に限られます。
4.事故前の資料を保存する
次の資料を保存しておくと、事故前の状態や仕様を説明する材料になる場合があります。
車両の前後左右の写真
内装・エンジンルームの写真
購入時の契約書・注文書
整備記録
レストア明細
部品購入の領収書
改造内容の資料
査定資料
同型車の市場価格資料
ただし、資料があれば希望する保険金額が必ず認定されるわけではありません。
全損と言われたときに確認したい7項目
1.全損と判断された理由
修理不能なのか
修理費が保険金額を超えたのか
盗難による全損なのか
を確認します。
2.認定された修理費
修理工場の見積額と、保険会社が確認した修理費に差がないか確認します。
3.車両保険金額
証券に記載された車両保険金額を確認します。
4.追加で支払われる費用保険金
全損時諸費用、買替え費用、復旧費用などの特約があるか確認します。
5.残った車両の取扱い
保険会社が引き取るのか、残存物価額を差し引いて手元に残せるのか確認します。
6.ローン・所有権
ローン残高、車検証上の所有者、所有権解除の方法を確認します。
7.等級と翌年の保険料
保険を使用した後の等級と保険料を確認します。
全損に備えて契約前に確認したいこと
全損事故は、事故が起きてから対策することが難しいため、契約時・更新時の確認が重要です。
確認したい内容は次のとおりです。
車両保険金額
現在の市場価格
補償範囲
免責金額
全損時諸費用の有無
買替え・復旧費用に関する特約
盗難の補償
台風・洪水・雹などの補償
車両を手元に残す場合の取扱い
ローン残高
全損時復旧費用などの特約は、車両保険だけでは不足する修理費や買替え費用に備える目的で設けられている商品があります。
印南保険事務所で多いご相談
印南保険事務所では、旧車・希少車・スポーツカー・プレミアムカーのオーナー様から、次のようなご相談をいただいております。
修理費が車両保険金額を超えそう
全損と言われたが愛車を修理したい
全損後も車両を手元に残したい
市場価格より車両保険金額が低い
同じ車を買い直せる補償か確認したい
更新時に車両保険金額が下がった
全損時の特約を確認したい
ローンが残っている車の補償を見直したい
全損時の取扱いは契約内容や事故状況によって異なるため、現在の保険証券や車両情報を確認しながらご案内しています。
よくある質問(FAQ)
Q1.車が走行できても全損になることはありますか?
あります。
修理可能な状態でも、修理費が車両保険金額や車両時価額を上回る場合は、経済的全損と判断されることがあります。
Q2.全損の場合、車両保険金額が全額支払われますか?
事故が補償対象であり、契約上の全損に該当すれば、原則として車両保険金額を基準に支払われます。
実際の支払額は、契約内容や特約などによって異なります。
Q3.全損でも車を修理できますか?
自己負担を加えるなどして修理できる場合があります。
ただし、残存車両の所有権や保険金の支払方法を事前に保険会社へ確認してください。
Q4.全損になった車は保険会社に持っていかれますか?
車両価値の全額に相当する保険金が支払われた場合、残存車両の所有権が保険会社へ移転することがあります。
Q5.全損保険金を受け取っても買い替えなくてよいですか?
通常の車両保険では、買替えや修理をしなくても支払われる場合があります。
ただし、新車特約や復旧費用特約などでは、買替えや修理が支払条件になることがあります。
Q6.全損時も免責金額は自己負担ですか?
一般的には、全損の場合は免責金額を差し引かずに支払われます。
契約内容は個別に確認してください。
Q7.市場価格が1,000万円なら1,000万円支払われますか?
必ずしも支払われません。
原則として契約した車両保険金額が支払限度となるため、契約時の設定額が重要です。
Q8.相手が100%悪ければ修理費全額を請求できますか?
修理費が事故時の車両時価額を上回る場合、相手方への請求は原則として時価額が上限となります。
Q9.盗難で全損保険金を受け取った後に車が見つかったらどうなりますか?
通常、保険金支払い後は所有権が保険会社へ移ります。
一定期間内など、条件によっては保険金を返還して車を取り戻せる場合があります。
Q10.全国から相談できますか?
はい。
印南保険事務所では、電話・メール・オンラインなどを活用し、全国の旧車・希少車・プレミアムカーオーナー様からご相談をいただいております。
まとめ
車が全損になった場合は、一般的に次の流れで手続きが進みます。
修理工場が損害と修理費を確認する
保険会社が修理可否と損害額を確認する
全損か分損かが判断される
車両保険金額や特約を確認する
車両の所有権・残存物の取扱いを決める
修理・買替え・廃車などを検討する
必要書類を提出し、保険金を受け取る
全損時に最も重要なのは、事故前に適切な車両保険金額と補償内容を設定しておくことです。
特に旧車・希少車は市場価格が変動しやすく、修理費や買替え費用も高額になりやすいため、更新のたびに現在の市場価格と契約内容を比較しましょう。
全損時の補償内容に不安はありませんか?
次のようなお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
全損になったらいくら支払われるか確認したい
現在の車両保険金額が低いと感じる
市場価格に見合った補償か見直したい
全損でも愛車を修理したい
全損時の特約を確認したい
ローン残高と車両保険金額に差がある
旧車・希少車に詳しい代理店へ相談したい
印南保険事務所では、お車の状態、市場価格、現在の契約内容、ご希望を確認しながら、個別にご案内しています。

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この記事を書いた人
小原 拓馬
旧車・プレミアムカー保険担当
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法的・引受条件に関する注意書き
※本記事は実際にいただいたご相談事例をもとに作成しています。掲載内容は一般的な情報であり、補償内容やご契約条件は、お車の状態、契約内容、保険会社の引受基準などにより異なります。掲載内容は特定の補償やご契約の可否をお約束するものではありません。詳しくは個別にご相談ください。







