事故時の車両保険金請求|連絡から修理・保険金支払いまでの流れを解説
- 3 日前
- 読了時間: 13分
結論
事故で愛車が損傷したときは、まず人命の安全を確保し、警察と保険会社または代理店へ速やかに連絡することが重要です。
車両保険金請求は、一般的に次の流れで進みます。
負傷者の救護と安全確保
警察への届出
相手方・事故状況の確認
保険会社または代理店への事故連絡
車両の損害確認と修理見積り
保険会社による支払対象・損害額の確認
必要書類の提出
修理または全損手続き
保険金の支払い
事故後は、ご自身だけで修理内容や相手方との支払いを決めず、保険会社または代理店と相談しながら進めることが大切です。
特に旧車・希少車・レストア車では、事故前の状態や車両価値を確認できる写真、整備記録、購入資料などが役立つ場合があります。
この記事でわかること
この記事では、次の3つについて解説します。
事故発生から車両保険金を請求するまでの流れ
旧車・希少車で準備しておきたい資料
全損・分損・免責金額・等級への影響
ポイント3つ
① 事故直後は警察と保険会社へ連絡する
けが人がいる場合は救護を最優先にし、必要に応じて119番へ連絡します。
その後、安全を確保したうえで警察へ届け出てください。事故の相手方がいる場合は、氏名、住所、連絡先、車両番号、加入保険会社なども確認します。
② 修理を始める前に保険会社へ確認する
修理工場へ入庫することはできますが、損傷状況の確認が終わる前に修理を進めると、事故との因果関係や修理範囲を確認しにくくなる場合があります。
まずは損傷部分の写真を残し、保険会社や代理店へ相談しましょう。
③ 車両保険金額と実際の支払額は同じとは限らない
車両保険金額は契約上の支払限度額です。
実際の支払額は、修理費、事故原因、補償範囲、免責金額、全損・分損の判断などによって異なります。修理費が契約した車両保険金額を超える場合は、原則として車両保険金額が支払限度となります。
事故時の車両保険金請求の流れ
STEP1.負傷者の救護と事故現場の安全を確保する
事故が起きたら、まずご自身と同乗者、相手方にけががないか確認します。
けが人がいる場合は、救急車を呼び、可能な範囲で救護を行います。
二次事故を防ぐため、安全に移動できる場合は車を安全な場所へ移動し、ハザードランプや停止表示器材などを使用します。
高速道路上では、車内に残らず、ガードレールの外側など安全な場所へ避難することも重要です。
STEP2.警察へ事故を届け出る
軽い接触事故や自損事故であっても、警察へ届け出てください。
事故を警察へ届け出ていないと、後から事故の事実関係を確認しにくくなる可能性があります。
警察へ伝える主な内容は次のとおりです。
事故が起きた場所
発生時刻
けが人の有無
車両の損傷状況
道路や施設への損害
相手方の有無
自賠責保険についても、事故時は負傷者の救護を行い、警察へ届け出たうえで、事故の概要を保険会社へ連絡することが案内されています。
STEP3.相手方の情報を確認する
相手方のいる事故では、可能な範囲で次の情報を確認します。
氏名
住所
電話番号
車両の登録番号
運転免許証の情報
加入している保険会社
勤務先
車両所有者
相手方と連絡先を交換する際は、誤記を防ぐため、同意を得たうえで免許証や名刺、車両番号を写真に残す方法もあります。
日本損害保険協会も、相手方の氏名、住所、連絡先、保険会社、車両番号などを確認するよう案内しています。
STEP4.事故現場と損傷状況を撮影する
安全が確保できる場合は、スマートフォンなどで事故現場を撮影します。
残しておきたい写真は次のとおりです。
車両全体
損傷箇所の近接写真
車同士の位置関係
道路状況
信号・標識
ブレーキ痕
落下物
ガードレールや電柱などの損傷
相手車両の登録番号
ドライブレコーダーの映像
旧車の場合は、事故による損傷と事故以前からあった傷や腐食を区別するためにも、日頃から車両写真を保管しておくことが有効です。
STEP5.保険会社または代理店へ事故連絡をする
事故の概要を、契約している保険会社または代理店へ連絡します。
主に確認される内容は次のとおりです。
契約者名
証券番号
事故日時
事故場所
事故状況
相手方の情報
けが人の有無
車両の損傷状況
警察への届出状況
車両の保管場所
修理を希望する工場
証券番号が分からない場合でも、氏名や車両番号などから契約を確認できる場合があります。
事故状況を正確に伝えることが大切であり、分からない内容を推測で回答する必要はありません。
STEP6.レッカー・搬送先を確認する
車が走行できない場合は、ロードサービスやレッカーを手配します。
搬送前には、次の点を確認しましょう。
契約にロードサービスが付いているか
無料搬送距離
搬送先
一時保管料
夜間・休日の取扱い
修理工場の受入れ可否
旧車・輸入車・カスタムカーの場合は、一般的な修理工場では対応できないことがあります。
愛車を普段から整備している専門店へ搬送したい場合は、レッカー手配前に保険会社や代理店へ相談すると安心です。
修理工場へ入庫した後の流れ
1.修理見積りを作成する
修理工場が損傷箇所を確認し、修理見積りを作成します。
見積りには、一般的に次の費用が含まれます。
部品代
板金費用
塗装費用
交換・脱着工賃
診断費用
センサー調整費用
搬送費用
必要に応じた追加作業
旧車では、分解後に内部損傷や腐食が判明し、当初の見積りより修理費が増えることがあります。
2.保険会社が損害状況を確認する
保険会社は、修理見積り、車両写真、事故状況などを確認します。
事故や損害の規模によっては、車両を直接確認したり、追加写真や資料の提出を求めたりする場合があります。
確認される主な内容は次のとおりです。
契約の補償対象となる事故か
事故によって生じた損傷か
修理方法は適切か
部品交換が必要か
修理費はいくらか
免責金額はいくらか
全損か分損か
最終的な保険金の支払可否や金額は、契約内容と損害状況を確認した保険会社が判断します。
3.修理内容と保険金の範囲を確認する
保険会社による確認が終わったら、修理工場、保険会社、契約者の間で修理内容を確認します。
純正部品が廃番の場合は、
中古部品
リビルト部品
社外部品
海外からの取り寄せ
部品の修復
ワンオフ製作
などを検討することがあります。
ただし、希望する修理方法や部品代の全額が、必ず車両保険の支払対象になるとは限りません。
分損と全損の違い
分損とは
一般的に、修理可能であり、修理費が車両保険金額の範囲内に収まる損害を分損と呼びます。
保険金は、契約内容に応じて、認定された修理費から免責金額を差し引いて支払われる場合があります。
例として、
認定修理費:100万円
免責金額:10万円
の場合、その他の条件を考慮しない単純例では、車両保険金は90万円となります。
実際の支払額は、契約内容や事故状況によって異なります。
全損とは
一般的に次のような場合、全損として取り扱われることがあります。
修理不能
盗難後、一定期間発見されない
修理費が車両保険金額以上になる
契約上の全損条件に該当する
車両保険では、修理費が契約時に設定した車両保険金額を超えた場合、原則としてその保険金額が支払限度となります。
なお、相手方へ修理費を損害賠償請求する場合には、法律上、事故時の車両時価額が上限となり、修理費が時価額を超える部分を相手方へ請求できないことがあります。
車両保険金請求に必要となる主な資料
事故内容によって異なりますが、次のような資料を求められることがあります。
保険金請求書
事故状況の確認書類
修理見積書
損傷写真
車検証
運転免許証の情報
修理費の請求書・領収書
振込先口座
警察への届出情報
盗難届受理番号
購入契約書
車両価値を示す資料
整備記録・レストア明細
必要書類や手続きは事故内容や保険会社によって異なるため、個別に確認してください。日本損害保険協会も、保険金請求に必要な書類の詳細は引受保険会社へ確認するよう案内しています。
旧車・希少車で準備しておきたい資料
旧車は同じ型式でも一台ごとの状態や価値が大きく異なります。
事故が起きる前から、次の資料を保存しておくことをおすすめします。
前後左右の車両写真
内装・エンジンルームの写真
走行距離の写真
購入時の注文書・契約書
整備記録簿
レストア明細
部品購入の領収書
改造・カスタム内容
査定資料
同型車の市場価格資料
専門店の整備記録
これらは事故前の状態や仕様を説明する材料になる場合があります。
ただし、資料を提出すれば希望する金額が必ず認定されるわけではありません。
修理前に勝手に部品を処分しない
損傷したバンパー、ホイール、エアロパーツ、エンジン部品などを、保険会社の確認前に処分しないようにしましょう。
現物確認が必要となる可能性があります。
やむを得ず処分する場合は、事前に保険会社へ相談し、次の資料を残しておくことが重要です。
損傷部品の全体写真
部品番号
損傷箇所の近接写真
交換が必要な理由
修理工場の説明
処分日
保険金請求をするか迷ったとき
車両保険を使用すると、事故の種類によって翌年以降の等級や保険料へ影響する場合があります。
そのため、小さな損害では、
受け取れる保険金
免責金額
修理費
翌年以降の保険料
事故有係数適用期間
今後の保険使用の可能性
を比較して判断することが大切です。
保険を使った場合と使わなかった場合の保険料差を、代理店または保険会社へ確認しましょう。
代車費用は補償される?
修理期間中の代車費用は、自動的にすべて車両保険から支払われるとは限りません。
契約に代車・レンタカー費用に関する特約が付いている場合は、条件に応じて補償される可能性があります。
相手方への損害賠償請求としても、代車の必要性や使用状況などによって認められるかどうかが異なります。ご自身の自動車保険で補償できる場合もあるため、契約内容を確認する必要があります。
旧車の場合は修理期間が長期化することもあるため、補償日数や1日当たりの限度額も確認しましょう。
盗難時の車両保険金請求
車両が盗難された場合は、まず警察へ盗難届を提出し、保険会社または代理店へ連絡します。
確認される主な内容は次のとおりです。
盗難日時
盗難場所
最後に車両を確認した時刻
車両キーの保管状況
防犯装置
車検証
購入資料
警察の受理番号
車両ローンの有無
車両盗難で車両保険金が支払われた場合、通常は全損として扱われ、保険金支払い後に車両の所有権が保険会社へ移転することがあります。
自然災害時の車両保険金請求
契約内容によっては、次の損害が車両保険の対象となる場合があります。
台風
豪雨
洪水
高潮
雹
飛来物
落下物
火災
車両保険の具体的な補償範囲は商品や契約条件によって異なります。一般的な補償例として、物の飛来・落下、台風・洪水・高潮などが挙げられています。
被害を受けた場合は、車を動かす前に、周囲の状況と損傷箇所を撮影しておきましょう。
なお、地震・噴火・津波による損害は、一般的な車両保険では取扱いが異なることがあるため、契約内容を確認してください。
車両保険金が支払われない可能性がある例
契約内容によって異なりますが、次のような場合は支払対象外となる可能性があります。
契約の補償範囲外の事故
免責事項に該当する場合
故意による事故
経年劣化や自然消耗
故障のみで事故による損害ではない場合
事故との因果関係を確認できない損傷
告知内容や車両情報に重大な相違がある場合
無免許運転や酒気帯び運転など、約款上の免責に該当する場合
「古い部品が事故をきっかけに壊れた」という場合でも、事故による損害部分と経年劣化部分を分けて確認されることがあります。
印南保険事務所で多い事故時のご相談
印南保険事務所では、旧車・ネオクラシックカー・輸入車・プレミアムカーのオーナー様から、次のようなご相談をいただいております。
事故後、何から始めればよいか分からない
旧車を修理できる工場へ搬送したい
純正部品が廃番になっている
修理費が車両保険金額を超えそう
全損と言われたが手続きを確認したい
市場価格を説明する資料を準備したい
代車特約の内容を確認したい
保険を使うべきか判断したい
事故時には、契約内容や損傷状況を確認しながら、保険会社への事故報告や必要な手続きについてご案内します。
よくある質問(FAQ)
Q1.事故後、最初に何をすればよいですか?
けが人の救護と安全確保を優先し、警察へ届け出たうえで、保険会社または代理店へ連絡してください。
Q2.修理工場へ先に持ち込んでもよいですか?
持ち込むことは可能ですが、本格的な修理を開始する前に保険会社へ連絡し、損害確認の方法を相談することをおすすめします。
Q3.修理費は全額支払われますか?
必ず全額が支払われるわけではありません。
補償範囲、認定された修理費、車両保険金額、免責金額などにより異なります。
Q4.修理費が車両保険金額を超えたらどうなりますか?
全損として取り扱われる場合があります。
車両保険では、原則として契約した車両保険金額が支払限度となります。
Q5.古い純正部品が手に入りません。社外部品を使えますか?
部品の入手状況や修理方法によって異なります。
修理工場と保険会社へ相談し、使用できる部品や認定される費用を確認してください。
Q6.事故前の車両写真は必要ですか?
必須とは限りませんが、事故前の状態、仕様、装着部品などを説明する資料として役立つ場合があります。
Q7.保険金を請求すると必ず等級が下がりますか?
事故の種類によって異なります。
使用前に、翌年以降の等級や保険料への影響を確認しましょう。
Q8.修理期間中の代車代は支払われますか?
代車費用特約の有無や利用条件などによって異なります。契約内容を確認してください。
Q9.事故の相手と直接示談してもよいですか?
保険会社へ連絡する前に、責任割合や支払金額について約束することは避けた方が安全です。
まずは代理店または保険会社へ相談してください。
Q10.全国から事故相談できますか?
ご契約者様の事故については、事故場所を問わず保険会社・代理店へ連絡できます。対応方法は事故状況や契約内容によって異なります。
まとめ
事故時の車両保険金請求では、次の順番が重要です。
負傷者を救護する
安全を確保する
警察へ届け出る
相手方の情報を確認する
現場と損傷箇所を撮影する
保険会社または代理店へ連絡する
修理前に損害確認を受ける
必要書類を提出する
修理または全損手続きを進める
旧車・希少車は、部品調達や修理方法、車両価値の確認に時間がかかる場合があります。
日頃から車両写真、購入資料、整備記録、レストア明細などを保管し、事故が起きた際は自己判断で修理や示談を進めず、早めに代理店または保険会社へ相談しましょう。
事故時の車両保険金請求でお困りではありませんか?
次のようなお悩みがございましたら、ご相談ください。
事故後に何をすればよいか分からない
旧車に詳しい修理工場へ搬送したい
修理費と車両保険金額の差が心配
純正部品が廃番になっている
全損・分損の違いを確認したい
保険を使うべきか相談したい
更新前に事故時の補償内容を確認したい
印南保険事務所では、ご契約者様の事故発生時に、事故報告から保険金請求手続きまで、契約内容に応じてご案内しています。

▶ 無料相談・お問い合わせは→こちらから!
▶ 無料お見積り作成依頼は→こちらから!
この記事を書いた人
小原 拓馬
旧車・プレミアムカー保険担当
年間約300件のご相談に対応。
市場価格を考慮した補償内容や旧車保険について、全国のお客様からご相談をいただいております。
▶ 担当者紹介は→こちらから!
▶お客様の声のご紹介は→こちらから!
よくある質問は→こちらから!
法的・引受条件に関する注意書き
※本記事は実際にいただいたご相談事例をもとに作成しています。掲載内容は一般的な情報であり、補償内容やご契約条件は、お車の状態、契約内容、保険会社の引受基準などにより異なります。掲載内容は特定の補償やご契約の可否をお約束するものではありません。詳しくは個別にご相談ください。







